其之拾壱 単品VSブレンドどっちが美味い?
ある米屋さんの英断 ウマけきゃええやん
今までというか今でもお米は、産地銘柄で選ばれ、有名産地ならどれでもウマい、その中でも有名銘柄単品が一番という先入観、伝説的なことがありますが、果たして本当なのでしょうか?
この問題を生産者の目から厳しくチェーックしてみたいと・・
 有名産地の単品が一番なら、それ以外のお米は美味しくないと言うことになりますが、そうなんでしょうか?ブっちゃけたハナシ、そんなことは、絶対にありません。何処の地方、都道府県でも美味しい地域は絶対ありますし、食べる人の好みで美味しさは変わってきます。逆も真なりで、有名産地でもそこのお米が全て美味しい訳でもありません。
 単品とブレンドの問題でも、単品が一番と言うことも絶対にありません。お米は食品、「食べてなんぼ」何処のお米でも「ウマけりゃ正義」でしょう。特に仕入れて売る米屋さんなんかは、「仕入れ原価」も問題もありますが同じ生産地でも地域や生産者で絶対に「バラつき」はありますし、同じ価格で一年間「品質(味)を買えずに安定して供給するのは「至難の技」でしょう。
 そこで問われるのが「ブレンド技術」でしょう。お茶なんかは、日本全国どこを探しても絶対「単品」なんてありえませんしウィスキーでも「シングルモルト」以外は、「ブレンド」でしょうに。バランタインなんかは40数種のモルトのブレンドでしょう?なんでお米のブレンドだけが「悪者」扱いされなくてはならないんでしょうか。
 私が考えるのに、「悪者扱い」される理由は、「ウソが多すぎる」からではないのでしょうか?単品信仰がある以上「ブレンド米は格下」というイメージがあるため、ブレンドして単品と同等、もしくは単品より美味しくてもブレンドとは書かずに単品と偽って販売される場合が多いからでしょう。
 別にブレンドでも「ウマけきゃええやん」。消費者も「なるべく安く、美味しく」なら単品にこだわらずに美味しいブレンドを探してみてはどうなんでしょう? でも「スーパーで安いの買い漁っている様では絶対無理」です。昔からやっている色んなお米を量り売りしている専門店、米屋さんならこんな無理なんかも聴いてくれるでしょう。
 うちらでもブレンドすることもあります。お客さんの希望もありますし、端境期近くになると味の維持でブレンドすることもあります。コシヒカリにミルキーを2割程混ぜますが、これでコシヒカリ単品と同じ価格で売ってますから買う方は単品よりお買い得です。同じ有機肥料を使って栽培したお米ですんでまぁ値段が同じなのも当然ですけどね。袋には表示しますが買って頂く方がそれを見るかどうかは知りません。
商経アドバイスの記事に載っていた内容なのですが、神奈川県のある米屋さんが、単品での販売を一切やめて、「全商品ブレンド米」という商品構成。ここまで割り切れば凄い。商品構成は、320円/kgから760円/kgまで各種色々。760円/kgって10kg7600円でしょ?魚沼より高い。推定ですが無農薬有機の魚沼級と同ミルキー等低アミロース米のブレンドでしょうな。生産者としてどんなお米かいっぺん食べてみたいものです。
つづく To Be Continue