其之五 局、最後に言えることは・・・

 実際問題、信頼できる材料で作った堆肥で農産物を生産したとしても、とてもじゃないけど供給量が大幅に落ち込んで絶対量が足ら ないでしょう。加えて現在行っている栽培方法より余分な手間がかかっていると言うことはそれだけコストもかかっていると言うことで、今のままの価格では市 場に出回らないと言うことです。生産量が少ないと言うことも価格の上昇に拍車をかけるでしょう。
 世界中で言えることですが農産物だけは、しっかりと原価計算を考えた価格で市場に流通していません現在の日本の様に人件費が高 騰しそれを生産原価に組み入れれば今の価格では市場に出せるワケがありません。農家だけが20年、30年前の所得水準でいいはずがありません。玉子や野菜 なんてその最たるモンです。例えばお米価格ですが絶対価格で言うなら日本の米価が世界一かも知れません。しかし、所得水準で見た相対価格は、日本の米価は、タイの米価の半分です。
  ある大阪の大もうけしている企業の社長さんのコトバを借りれば、
 「商売と言うモンは、一人勝ちしたら絶対あかん。みんなが幸せになれるコトを考えればそれは売れるし、そこは儲かる」そうです
 要は、売る人、買う人、作る人、みんなが幸せになる方法を考えれば絶対儲かるんだそうです。
 美味しくて、安全なモノが欲しい。でもゼニは出したくない。これではだめですよ。 
 青息吐息の大手スーパーの社長が価格破壊なんてコトバを使っていますが、自分が損する覚悟で言っているのなら誉めてあげますが、結局、納入業者を泣かし てお客さんからも利益を吸収しているわけでいわゆる「一人勝ち」の状態。 いくら価格破壊って言ってもトヨタさんなんか、いくら儲かっていてもセルシオを カローラの価格では絶対売らんワケでソニーの盛田氏じゃないですが、良いモノは高い。これが世の中の常識っちゅうもんです。
余談
 件(くだん)のつぶれかけてるスーパーなんて球団買うわ、ホテルや海外にアウトレット店とか本業以外にも手を出しまくってるもんだから潰れかけてるワケですな。  現在、日本で思いっきり儲けている会社を思い浮かべてください。筆頭が半期で5000億也。年間収益が「一兆円行っちゃうかも」のトヨタさんでしょ、民営 化して持ち株会社になったものの元国営の市場寡独状態に近いシェアで特に移動通信部門子会社なんか顧客をナメているとしか思えんサービスを提供してくれて いるNTTの2社でしょう。この2社に共通していることは、本業でまじめに事業展開していると言う点です。仮に携帯電話会社が利用者の「骨の髄までしゃぶる」よ うな商品開発、サービスを提供していてもそれはれっきとした本業です。アタマに来るけどモンクの言える筋合いのモノじゃない。いやなら電話会社を変えれば いいだけのハナシ。結論、儲かっている所を羨んだり妬んだりする前に、もうけようと思えばいらんコトに手を出さずコツコツ本業に精を出せばいいだけのハナ シじゃないんですかね?
 なら、本当に安全で美味しい農産物、純国産堆肥使用、完全無農薬のお米が10kg3万円でも買って頂けますか?買って頂ければ生産者ウハウハですけどね。加えて言うならモノには生産原価にもとづいた、適正価格があるってコトは誰でも知っていることです。 
 2001年の4月から新JAS法の表示が始まります。いわゆる有機の表示の問題。いまですらあらゆるモノにあらゆる所でニセモノが、まかり通っています。 平たく言えば 「ウソ表示」です。
 が、どんなに法律で規制して縛っても絶対ニセモノは、なくなりません。定期購読している米穀の業界紙商経アドバイスのある号の記事に有機の表示に関して 南勢のある販売店(米屋さん)の意見として、「経営努力に水を差すような法律はやめて欲しい。ウチらは、地方なので表示に対する考え方が成熟していないの で、商品の米袋に銘柄等、何も表示しなくても売っていく自信がある。お客さんと絶対の信頼関係があれば表示など関係ない。」と言い切っていました。
結局なんだかんだ言っても最後に言えることは、前出の米屋さんの様に
売り手と買い手の相対(あいたい)の信頼関係、これが、全てです。
ぶっちゃけたハナシ、本当に良いモノが欲しかったら売り手や、もっといえば作り手の所へ出向いて話を聞いてそれが自分に合うモノ であれば買えばいいだけのハナシです。良いことも悪いことも言えることは言ってくれる売り手に巡り会えれば幸せと思うのですがねぇ、わたしは。本当に良い モノが欲しければ、手間暇惜しんじゃダメです。買い物の職人になるつもりじゃないと。相手もモノ作りの職人ですから。
 え?わたしですか?さぁ?話してみなければわかりませんよ。私、商売人じゃありませんのでお客さんの気に障ることなんてしょっちゅうですから・・・。
つづく To Be Continue