其之六 カエルが田んぼから居なくなってホンマ?

 一時期、新聞の投書欄にこんな投稿がありました。 
 久しぶりに故郷へ帰ったらきれいに田植えが終わった田んぼから最近、カエルの声が全く聞こえない。これは、化学肥料と農薬で自然環境が破壊され生態系が変わったからに違いないっ! と力説していた人がおりましたが、私ら田舎モンから言わせれば
アホぬかせ!なんも知らんモンが!!
と反論ちゅうかホンマのワケを教えてあげましょう。
だいたい、カエルも住めないほど環境破壊が進んでいれば、稲など作れるわけがございませんし、それ以前に人間サマがどうにかなってしまいます。生態系は、半分正解
 大きく上げれば理由は2つほどあります。
1、 栽培する品種の作期とカエルの生息時期
    これは、現在早期栽培地帯では、こしひかり又は、これより早い品種が主流となっています。この品種を栽培しますとカエル が産卵する時期は、田植え直後ですのでまだ田んぼに水があります。しかしオタマジャクシとなり、やがて手が出る足が出る時期に地方、地域によっては、中干 しと言って田んぼを乾かします。中干しをする理由は、稲を飢餓状態にして生殖成長期に移行させるためと、収穫作業がやりやすい為で営農指導機関も中干しの 徹底と言う指導をしています。この時期が前述のオタマジャクシの時期ですと当然干上がってしまうので生息できません。前出の投稿者はおそらくこの時期が ばっちり合っていたのでしょう。
 2、野鳥保護で生態系の破壊
  何のこっちゃ?と思いがちですが、実際こっちの方が大きな問題なんです。どこぞの動物保護団体が旧来の生態系なぞ考えず白い鳥は全て保護対象にしてしまうモノですからシラサギの大量発生、大量繁殖。見ている段にはきれいで優雅なシラサギですが、こいつら農作物にとって百害あって一利ナシの厄介モン以外の何者でもありません。稲は踏み倒すわ。害虫を捕食するカエルやザリガニを良いように食い漁るわで困ったモンなのです。おかげで捕食する天敵が激減したせいで最近ヒルが復活してきました。
 江戸時代以前シラサギは関東以北にしか居なかったと聞きました。(真偽のほどは不明)
 農薬や化学肥料による理由よりシラサギ等鳥類による捕食の理由の方が大きいでしょう。
うちらなんか、たんぼの近くでは居なくなるどころか夕方以降まともにハナシも出来んほどカエルの声がやかましいし、家から一番近くの田んぼまで旧国道一号線をはさんで200m近くある我が家まではっきり聞こえます。
結論としまして
カエルが田んぼから居なくなったと言うのは大ウソ  ただ単なる勘違い
つづく To Be Continue