其之拾五  銭で腹が膨れるか?
農水省が金額ベースでの自給率
平成17年2月10日中日新聞夕刊の記事によりますと、
日本の食料自給率がなかなか向上してこない。昨年度の自給率(カロリーベース)は40%と、六年連続で横ばいの状態だ。農水省は平成二十二年度までに45%とする目標を掲げているが、実現は厳しい状況。さきごろ中間論点整理をまとめた食料・農業・農村政策審議会の企画部会でも九月からの議論では食料自給率目標が最大の検討課題となるが、現状では目標年度の先送りが必至の情勢。
そこで、カロリーベースでの自給率算出を疑問視する向きもあり、たとえば野菜は自給率が高いが、カロリーが低いのでいくら国産野菜を食べても自給率の向上にはつながらない。  
 加えて生産者の立場から言わせてもらえば野菜は自給率は高いが単価が低い。逆に米の場合、自給率が100%を超えているコトに加え単価も高い。
 なら、いっそのこと自給率を金額ベースで考えちゃえ!!ってコトで昨年度は70%と高い水準に跳ね上がりました。
 数字上は「ばんざーい」なのですがねぇ、これでいいのでしょうか?カネゴン(古っ!これをわかる人は40歳以上限定)じゃあるまいし、お金じゃお腹は膨れないでしょうに。
 しかし、同省は「食糧安全保障の観点でいえば、輸入がストップした場合にどれだけのエネルギーを国内で賄えるかが重要で、カロリーベースの数値が前面に出ることになる」(総合食料局)と説明する。飽食により食べ残しも多い。こうした食べ残し分も自給率算出の際には分母となる国内消費に含まれている。農水省は「自分たちの食事をどう考えるかが大事」(同局)と訴えている。
 そこまで言うならもっと本気で日本の「本来食」と言うか、「伝統食」の継承の啓蒙や復権に力を入れるべきでしょうに。食は命を未来へ繋げる基本であり、2000年以上の遙かいにしえより伝わった先人の知恵、文化であるということ。その流れの一つが今ハヤリのスローフードではなかろうかと。
 別に外国食排除や食の多様化を否定するつもりは一切ありませんが、長い間日本の気候風土に合わせて淘汰、洗練、改良されてきた「伝統食を基本とした」食生活の見直しが今の日本では必要になってきたのではないかと考える次第です。
 なんだか私にはなかなか数字を上げる目標が達成できないので、ムリに「こじつけ」で数字だけ上がった様に見せかて「帳尻合わせ」てるようにしか見えないのですが、こんなことをしていても国民の胃袋は満たせないでしょうに。もっと根本的な問題を見直しましょう。
注  *平成19年では39%にまで低下*
食料自給率40%程度であるならば北朝鮮並と言うことを知っておいてほしい。

つづく  To be Cntinue