8、復活電球小僧 
究極の明るさを求めて
追加の作業灯を取り付けたり、色温度を色々変えたりしてもイマイチ思うような明るさにならないトラクターの作業灯。
ならば、思い切り明るく。ひと昔前まではハイワッテージの沃素球が最強の明るさを誇っていたが、色温度の高い高能率バルブが主役に。
しかし、今やHIDキセノン式(高輝度放電型)の登場で主役はHIDに。ならば、究極の明るさを求めてHID化してしまえば最強の明るさに。
12Vの電圧を20000ボルト程に昇圧してキセノン管に放電。圧倒的高輝度と大光量、しかし消費電力は35W。果たして実際は如何なるものか?
沃素球をHIDにコンバートするキットは数年前からあるが、少し前の国産の有名銘柄のものはハロゲンバルブをHIDのバーナーに替える際にランプユニットの取り付け部の加工が必要だったりで、同じ形状のバーナーに取り替えるいわゆる「ポン付けキット」は少ない上に6万以上と超高価。とてもお手軽にサクッと交換出来る物ではなかった。
が、ネット通販等で、どこかは知らんが外国製のハロゲン球と口金部が同じ形状の「コンバージョンキット」なるものが1万円台前半で大量に流通。価格も大分「こなれてきた」頃合いなので導入決定。乗用車にすらまだHIDに換装していないが、この際取り付けのラクそうなトラクターからHIDにコンバート。
ルーフ左CIBIE Recta H4 ルーフ右CIBIE Type Mini Fog
右フェンダーCIBIE Patrol Fogを装着。バルブは全て55W
作業灯に使われているバルブは、ルーフ右Typeミニが「H2」 左レクタが「H4」、フェンダー上パトロールが「H1」、トラクター純正の作業灯がM1,GMともに「H3」。今や時代遅れのH2球は、HIDコンバージョンキットどころか高能率バルブも無いのでHID化は不可能。
でネット通販でお手頃価格のキットを購入したのがこれ
シングルバルブ用コンバージョンキット
GM用に薄型バラスト、バーナーはH1(Patrol用)
 e−HIDショップ 購入価格12800円(当時)
世界最小級の「H3C」バーナーに惹かれて購入(純正作業灯)
バラストは標準タイプ(M1室内)
 アドバンスワークス 購入価格18900円(当時)
http://item.rakuten.co.jp/hid-shop/31999/ http://item.rakuten.co.jp/advanceworks/35w-hid-gekiyasu4/
ここで困ったのがバラストとバーナーの組み合わせ。どこのコンバージョンキットでもコネクターは共通なのでそれぞれをスワップしての取り付けは可能だが、セットを購入する際に「最良の組み合わせ」が無い。
純正の作業灯には灯体が小さいので左のアドバンスワークスのバーナーを使うが標準バラストはスペース的に付けようが無いので、e−HIDの薄型バラストにステーを自作して取り付け。M1のPatrolは「H1」のバーナーだが室内スペースが充分余裕があるので標準バラストで充分。
レクタに使用のH4キット。LowのみHIDでHiビームは沃素球
1個しか必要ないのでバイク用を購入
 HID専科ショップ 購入価格 8500円(当時)
灯体のグロメットを通す際にバーナーのカプラーをブッた切ることがあるのでカプラーセットも購入
 HID専科ショップ 購入価格 10組 4500円(当時)
http://sa.item.rakuten.co.jp/auc-hid-senka/a/10007253/ http://sa.item.rakuten.co.jp/auc-hid-senka/a/10007218/
レクタのH4球用には1個しか必要ないのでバイク用を購入。灯体の厚みに余裕がないのでLowのみHID、Hiビームはハロゲンのもの。Low−Hi切り替えの物はバルブ後方にソレノイドの突き出しが4−5センチあるので装着不可能。
バーナーからのコードを引き出すのに灯体のグロメットを使う場合に既存のカプラーを切り取り付け直すので耐圧防水カプラーも購入。HIDのバーナーだけでなく防水性が欲しいときに重宝しそう。
2フィラメントのH4球のコンバートで補助灯の灯体内に収めようと思うとソレノイドで切り替えるタイプは後方の突き出しが4−5cmあるので装着不可能。Wバーナータイプは価格が高いので却下。で、商品写真を見て口金の形状も沃素球と同じようなのでLOWビームのみHID、Hiビームが沃素球のタイプを選んだのだが・・・
商品写真はこれ。口金が沃素球の規格通りの金属3本爪。Low のみHIDでHiは沃素球
色温度は6000K
実際商品がこちら。口金部が樹脂製でレンズに収まる「凸」部はまだいいとしても、切り欠きの位置決め爪の部分に厚みがあるのが問題。
カンバンと違うぞ。
商品写真と送られて来た現物では、口金部が違う。現物は口金部が樹脂製でレンズに収まる「凸」部はまだいいとしても、切り欠きの位置決め爪の部分に厚みがあるのでレンズに付けた際に固定のクランプがハマるか否か。なにせ装着する相手は精度の高い寸法公差の少ない欧州製。老舗のCIBIE のレンズ。ラテン系の南欧のクセして妙にキッチリし過ぎ。
商品見本通りなら口金後部の配線の突き出しがこの程度ならば、灯体へ無理なく装着出来るハズであったが、現物は「径」方向のサイズは問題無いが、樹脂の厚みの分後方への突き出しが大きくおまけにラバーコーティング部が長い。灯体の奥行きが足らない。で、その対策は・・・
購入後20年以上のRECTA H4 リフレクターにサビは出ていないもののレンズはかなり汚い・・・ フタを開ければ・・・「ゲッ!」バルブの端子のゴムのカバーが溶けてる・・・。恐るべし経年劣化。ほとんどってか全くタール状。
さすが20年モノ。外して至近距離でマジマジ見ると結構酷いモノになっている。リフレクターは錆びていないが、レンズは結構汚れているので、ペーパータオルでレンズ内側の曇りを拭き掃除。バルブに刺さっていたカプラーのゴム製カバーは経年劣化で溶けてタール状。そういえば取り付けて10年ほど開けた記憶が無い・・・・・。

そのまま灯体の中に収まらないなら、バーナー後部が干渉するので何の未練もなく灯体の後部中心部に24mmのホルソーで大穴をブチ抜いてグロメットを通す。沃素球も付いているのでコードは4本。
手始めに灯体に奥行きの余裕のある為に一番付け替えがラクそうなフェンダー上の作業灯パトロールからHIDにコンバート。無加工で問題なくそのまま換装完了。 バラストはCピラーに取り付け固定。電源はリレーハーネスが以前から引いてあるので、そちらへ接続。
H1のバーナーの色温度は4300K
HIDに入れ替えたパトロールH1とレクタH4車体に組み付けて点灯させてみると・・・
レクタHiビーム側沃素球とタイプミニ
下の写真も含め右写真とホワイトバランスはみんな同じ。
レクタLow HIDとパトロールのHIDが2灯点灯
ミニは点いたままの状態。
左写真とは明らかに違う色温度と光量
上の写真の照射パターンと色温度 上の写真の照射パターン。明らかに色温度が違う。白色の蛍光灯並の色温度。奥の段ボール箱に当たる光量が左と圧倒的に違う。 
上の写真は4枚ともホワイトバランスは同じ。沃素球は標準球なので色温度は3600ケルビン。自分の好みから言えば太陽光の色温度が5500ケルビンなので、それに近い4500−5500ケルビンが一番いいのだが、そんなにピッタリ好み通りなのは無いのでなるべくそれの近いモノを選択。
HIDのバーナーはフェンダー上のH1球が4300ケルビン。ルーフのH4が6000ケルビン。ルーフのほうが若干青い。
しかし圧倒的なのは光量。目視の感じでは能書き通り沃素球の約3倍くらいに感じる。が、寿命はハロゲンの5倍ってのは大いに??印。大体phillipsなどの品質のいい沃素球は10年持つので50年も持つとはとても思わない。そんなら今の沃素球は昔のモノより寿命がそんなに短いのか?
で、倉庫の外に出して見ました。

ちょっとブレたけど、ヨーロッパの「どこぞの」ライトメーカーのカタログみたいになっちゃいました。とにかく「明っかる〜」の一言。
これでMトラの方は一応の決着を見たので次はGMの方へと・・・
つづく To be Continue