3、私(ワタシ)的選択基準
その2 使い方での選択肢の問題
ある特定の箇所をいじろう、直そうとした場合普通にどこにでもある汎用の工具、スパナやメガネでは用を足さない場合は専用工具や特殊工具などその目的に特化した道具を使わないと、歯が立たない場合があります.。
 例えばクルマのブレーキラインや油圧パイプ、乾燥機の燃料管など銅パイプの配管をいじろうとした場合ニップル部が真鍮製や銅製では、二面をくわえる普通のスパナでは、ナットの角をナメてしまうことが多々ある、かといってメガネではパイプが通っているので使えない。そんな場合俗にはメガネの一部にパイプの通る「切り欠き」のある「フレアナットレンチ」あるいは、「ブレーキパイプレンチ」と呼ばれるものが必要になります。
 通常自動車等のブレーキ系統では、ネジの二面角が10−12mm大きくても13−14mmで国産の工具メーカーでは、これ以上大きなサイズのラインアップは一般的にはありません。しかし、産業機器の農機具や建設機械の油圧の配管になると17mmや19mmは当たり前に存在します。こんなとき、スパナで用を足すか、メガネを改造して切り欠き作って使うか、専用工具を使うか?スパナの場合、相手が柔らかい銅製や真鍮製で堅く締まっているとナメそうでチト怖い。油圧の配管で奥まっている所で手探りでの作業で力加減が出来ないときもスッポ抜けて怪我をしそうでこれも怖い。
snap−onのフレアナットレンチ。上から13−14mm、17mmコンビネーションタイプ、19mmコンビネーションタイプ。13−14mmは乾燥機の銅パイプにジャストフィットで結構重宝。17mm、19mmはトラクターの油圧の配管用に買ったもの。奥まったところにある配管でも心おきなく力をかけてもスッポ抜けないので安心。
 こんな時は使用頻度が低かろうが迷わず専用工具。年に数回、もしかして数年に一度しか使わなくてもそこは道具道楽、と言うわけでなく「ケガして血を見るのがイヤ」痛いのは誰も代わってはくれないので高かろうが「お取り寄せ」だろうが、要るモノは要る。
 かといって余り精度必要としないようなもの。粗使いの工具。たとえば、バイス(万力)やプライバー(コジリ棒)なんかは怪我をしない程度の安物で十分と思っているのでそんなのを使用。
 鉄板加工や、そこいらにぶつけて、ひん曲がった作業機の部品なんかをブっ叩いて直したい時はどうしても万力が欲しくなる。で買った一品。口幅6インチ(15cm)でご丁寧にも回転式。
お買い得?工具の代表アストロプロダクツのスイベルバイス。
6インチで国産の有名メーカー品だと30000円はするのにお値段驚きの5000円ほど。鉄板の加工なんかにハンマーでブっ叩こうが平気。十分使えます。
機械の分解、整備なんかをしていると、つついたり、コジったりする場面に多々出くわします。そんなときに「大きめのドライバーでも歯が立たない、かといってバールでは大きすぎる」場合に絶妙に使い易いのが、「プライバー」通称「コジリ棒」。特に45cm、60cmサイズが帯に短し襷に長しをカバーしてくれる一品。最初何に使う「棒」だろうと思ったらVベルトを張ったりする時に「コジる棒」らしい。
これが本来の使い方らしい。Vベルトの張りの調整。こんな場合は標準の雁首の曲がっている方が具合がいい。


これぞ荒使い工具、アストロのプライバー、いわゆる「コジリ棒」25cm、30cm、45cm、60cmの4本セット。主な用途はVベルトを張ったりするらしいが、45cmと60cmサイズのは、「コジったり、つついたり」重宝な如意棒。4本セットで1500円也。右写真は上が叩き伸ばしたもの。下が標準。ちなみに比較的安いSIGNET製がセットで2700円程、Snap−onに至っては17000円程。
本来は上の右写真の下側の用に30度くらいの角度が付いています。この角度、場面によっては、それなりに使いやすいのですが作業機の脱着や整備、ロータリーの爪交換の時に爪軸に付いた泥を落としたり、コンバインの足回りの泥を落としたり「まっすぐのが使い易い」場面の方が多くなってきた。もう一つ買っても1500円。なら、「サンソで炙って叩き伸ばしちゃえ」って伸ばしたのが上の写真。曲がっている「首」の部分を炙って叩いているので「刃先の焼き」は戻りません。つつきまくって先が丸く減ってナマってきたらサンダーで軽く研いだら即再生出来ます。まさに如意棒。17000円のsnap−onとどこが違うんだろう。アストロのを10個買った方が断然長持ちすると思いますが。*注私の場合片刃タイプの方が使い易いので「刃先」を中心に持って行ってません。
なんだかんだ言っても「安くて安全で使い易い」のが最高でしょうが、三拍子揃ったモノなんか、そう滅多にありません。自分なりに使い方で「どこで折り合いを付けるか」が最終的な選択結果でしょう。
ホームセンターなんかで「そこそこ使えりゃいい」もいいですが、一度「相談に乗ってくれる専門店」に足を運んではいかがでしょうか?はっきり言って長く使える「工具専門メーカー」の品は専門店で買った方が安い場合が多いですし「折り合いの付け所」もきっちり相談に乗ってくれますから。