4、ネジのサイズ
どこまで揃えるネジ=レンチのサイズとレンチの種類
 通常、機械やクルマをイジっているといろんなネジのサイズに出くわします。場合によって指で摘めないような小さなモノからこんなモンどうやって外すの?って大きいサイズまで様々あります。クルマでも普通にいじる範囲では、ドライバーでコト足るネジ径3−5mm二面角5−8mmからネジ径6mm二面角10mmからネジ径12mm二面角19mm程度、大きいもので足回りでネジ径14mm二面角21−23mm程度でしょう。
 *注 これ以降のサイズは、ネジの二面角、レンチサイズで表します。
ある程度、自分でイジる、直す際にどの程度までのレンチサイズやレンチの種類を揃えればいいのでしょうか?すべて揃えらたらベストでしょうが、これでは整備工場が出来ちゃいます。
 シーズンオフのメンテや現場での緊急整備をどの程度まで自分で行うのかを考えて自分でイジるのに必要な分だけ揃える。スキルアップすれば必要なモノを買い足していくのがベターでしょう。
 レンチの種類もスパナ(両口)やコンビネーション(片目片口)やメガネレンチで済まそうと思えば済みますが、ラチェット(ソケット)レンチも併用した方が早いですしラクでかさばらないでしょう。
これ以降はラチェットレンチを含めソケットを取り替えて使うレンチ類に限定して進めます。
 農機具の場合、比較的小さめのサイズが、田植機、管理機、草刈り機、動力散布機等の小型農機具で7mmー17mm程度、乗用車と同程度でしょう。これ以上のサイズを使うのがトラクターやコンバイン(機械のサイズにもよります)で最大30−36mm。ここまで大きなサイズは使わないにしろ、22−24mmまでは、必須と考えていいでしょう。
ソケットの差し込み角 ドライブサイズ
ラチェットレンチ等のソケット(以下「駒」)を差し替えて使うレンチ類の「差し込み角」は通常インチ呼称で1/4インチ=6.3mm(通称2分)3/8in=9.3mm(3分)1/2in=12.7mm(4分)3/4in=18.6mm(6分)インチ=25.4mmまで。通常1/8インチを1分として6.3mm=2分以下3分、4分、6分、インチ、と呼ばれる場合が多い。2分(1/4)の場合は「しぶいち=4分(の)1」とも言われます。 
現在、ウチで自分でイジるのに私が必要かつ揃えているレンチサイズは、5mm−36mm。通常使うサイズ8mm−22mm程度なら3分のラチェットでコトは足りますが10mm以下の場合は2分の方がハンドルも短く軽いので使い易いでしょう。ただラチェットレンチはあくまでも「早回し用」と考え力任せに締め付けず締め付けトルクに十分注意しないと「小さいサイズは力の入れすぎでボルトをねじ切り、大きいサイズはトルク不足で締め付けが不十分になる」ので注意が必要。
決心に大分時間を要したSIGNETの2分のラチェットセット。ビークルの散布機をバラして掃除していた際に7mm8mmのネジがやたら多いので軽くて短い2分を購入。田植機をいじるには重宝
 迷いに迷って買った上のSIGNETの2分のセット。このセットを選んだ理由は内容豊富の割には安かったから。メッキなのであんまり好きではないけど3mmー14mmの駒とドライバーのビットやトッルックスビットまで入って6200円程。本締め出来る上限サイズは入っている14mmまで行けるそうです。安いだけに使い始めの一発目にラチェットハンドルの左右切り替えレバーのギアが噛んでどっちにも回らない。端っから分解した。レバーのガタも大きめでSnap−onやHazetのほど精度は高くない。Hazetが一番使い易そうだけど2分のセットに2万も出す気はないっ!
大きめのサイズで強めの締め付けトルクが必要な箇所は、トラクターなら耕運ロータリーの「爪」のボルトナット。フランジタイプで200cm級のロータリーの爪ボルトのサイズが22mmー24mm。170cm級のホルダータイプでも17−19mm。これ以上になると用途も特殊に近く30mmはコンバインのクローラのテンション。
強力締め付け用4分のロング。上がTOPのその名も「爪レンチ」下が4分のロングSnap−onのSHL936A。グリップの樹脂部の色は通常「赤」だけれどこれはレア物のグリーン。なんでもセット物をバラしたものでフツーは無いらしい。お値段約2万円。
 トラクターのロータリーの爪等の大きいサイズの強力締め付け用には4分のロングサイズ。写真上はTOPの「爪レンチ」(そのまんま)ロータリーの爪交換用で両面が17mmと19mmのサイズになっていて、それ以外(以上)のサイズを使うには一番上にある4分のソケットアダプターをハメて駒を使用。長さが43cmあるので結構トルクは掛かるが軸が薄いので思いっきり力をかけると「左右にしなる」。下はSnap−on のSHL936A、長さ39cm。ソフトグリップで握り心地もいい(滑らず痛くない)しシャフトが太くとにかく丈夫ので以外なことに4cm長い爪レンチより強く締まる。踏んだり乗ったりしなくても手で思いきっり締めると「ガングリップタイプのエアのインパクトレンチ」でも緩まない。おおよそ30kgくらいのトルクで締められる。(やらないけど二面角17mmでも折れると思う。)
コンバインのクローラのテンションって・・・思われる方もいるでしょうが、これが意外に簡単に外れちゃったりするんです。完全に外れる訳ではなくて、駆動スプロケットからクローラの「下駄の歯」が外れる。最初は途方に暮れて整備工場の職人さん呼んで直して貰いましたが、「コツを覚えれば超簡単」ジャッキもウマもいらない。ロックナットゆるめてクローラのテンション緩めてコンバインを微速前進させてクローラがスプロケットにちゃんとハマればテンション張ってロックナットを締めれば終わり。スパナかモンキー、早回しのラチェットがあれば一人でOK。それ以来コンバイン作業に30mmは必須。
って言っても緩めるのはラクだけどクローラのテンション張るのには結構な力が必要。そんなときに上のロングサイズでガンガン締めると結構ラクに締められます。通常サイズの10インチハンドルだと完全に締め切れないし、1日に3回やったら革手袋をしていても「手にマメ」が出来た。ベローってカワ剥けるし、痛いよ。早さと確実性と「痛くない度」から言うと2万でも高くない。永久保証だし一生もんの一品。クロムメッキでピカピカきれいだろうが値段が高かろうが使い易くて買った道具。ロータリーの爪交換だろうとガンガン使ってます。使ってナンボの道具ですから。使ったあとは勿論掃除して手入れしてあげるのは当然の事です。だって良い物だけに長い間使い続けたいから。こいつが一番速く「シャンパンゴールド」になりそう。