5、レンチの種類と用途 
ラクする方法ないですか?
 用途によっていろいろなレンチを使い分けるには作業能率を上げるには必要です。って言うか如何に「ラクをするか?」ってことで、ラクをするってことは、不要な力を入れすぎずに「怪我をしないで済む」ってコトでしょう。
大きなサイズで思い切り締まっているネジに短めのレンチで無理して思い切り力を入れて「緩んだ拍子にスッポ抜けて手を強打、結果血ぃ見た」という経験や血を見ないまでも痛い経験は誰にでもあるでしょうに。
小さいサイズを緩めるときはともかく締める時に長いレンチや大きめのレンチでねじ切った。レンチが長くてネジが回せないとか。逆に前述のように大きいネジで無理をするとか、スパナやメガネだけでやたら回すのが面倒で時間がかかったり。こんな時は緩んでしまえば迷わず早回しの出来るラチェットなんかを使った方がずっと早くコトが進みます。それでも2m級ロータリーとか4m級代掻き用ハローとかボルトの数が約100本と多いともっとラク出来る方法がないかと考えます。(マジ腱鞘炎になりかけた。)
こんな時はやっぱし機械、力と早さを人の何倍にもしてくれる。それなりの機械もいりますがエアツール(空圧工具)や電動工具が一番頼れます。
コトの発端はと言えば田植えシーズン中の代掻き用ハローの爪交換。その数104本だったか108本。まさに煩悩の数。辛抱強い親父が「あーめんどくさっ!エアツール買ぅて来い」。ホームセンターの安物で済まそうかと思って物色するも長さの短いパドルタイプのみ。
ホームセンターにあったのがこのパドルタイプ。手許のペラが操作レバー。全長も短いしレバーと本体の間で「身を挟む」痛いのは即座に却下。 鈴鹿の専門店まで走って買ったのが空研のKR−153。全長が長いので反動トルクで取られることもなくレバーが中央でバランスもいい。
ホームセンターで見本品を色々イジっていて操作感をチェック。パドルを何度となく操作していると「痛っ!」パドルと本体の間で手のひらの「身を挟む」これが、つねられたみたいでまた痛い。痛いのは即却下。鈴鹿の専門店まで走って色々物色しているとボディーの長い空研のKR−153という型。唯一ロングでパドルじゃなくトリガー式。これなら身を挟まないし、長い分重量はあるけど真ん中を握るので短いパドル式より重量バランスがよくて軽く感じる。反動トルクで取られそうになっても両手で支えれば持って行かれないし、ソッコーでゲット。注意書きにもあるしお店の人の話でも「絶対に本緩め、本締めに使わぬように」とのこと。なんでも「この前買っていったオジさんが締まったネジをこれで緩めようとして3日で壊して持ってきた」そうな。ムチャするなぁ。ラチェットとは本来本緩め本締めに使わないものだってば。
コンプレッサーのあるところでしか使えないけど、そりゃ速い。メガネなんかで緩めておけばボルト1本3秒だぜぃ!(ホントで)腱鞘炎にもならずに超楽チン。やっぱし道具は道具。一度ラクを覚えれば人間アトには戻れない。
もっとラクっていうか手で緩まないネジを強力に緩めるには「インパクトレンチ」。やっぱこれでしょう。上記のアングルタイプのインパクトレンチがあれば堅く締まった大径のボルトを一気に緩めたり本締めしたり出来るのだが、農機具屋さんや整備工場じゃないので多くて年間4−5回そんなに使用頻度は高くないだけにあんまり値段の高いモノは却下。以前、特殊工具のhascoからエンジンのクランクプーリーを外すためのインパクトレンチがあるにはあったのだが、10万円也!年に数回の為だけにここまで高いのはよー出さん。今でも日本ニューマチック工業からアングルインパクトレンチという商品名であるのだが、これも7-8万円以上。「あればラクだろーなー」とは思うものの今の使用頻度では却下。
耕運爪以外の普通に堅く締まったネジならピストルタイプのインパクトレンチの方が利用範囲が広くてベターかと。自動車やトラクターのタイヤ交換にも使えるしこの程度で充分。空研のさほど大きくないガングリップタイプのインパクトレンチが2万以下であったので購入。空研の割りに安いけど迷ったあげく購入決心。17mmとか19mm程度でも錆び付いて緩まない時や手で支えられない様なカタチののモノでもインパクトで「ガチガチ」っと緩めれば大抵は緩む。30mmとかの大きいネジで60cm位の柄のレンチで回そうとしても回らない、柄をハンマーでガンガンブっ叩いてスピンナーハンドルを壊してもビクともしなかったのがインパクトを使ったら一発で緩んだ。まぁ原理的には小刻みにハンマーで叩いているのだから当然と言えば当然なんですが叩く回数が手でハンマーを使ってレンチを叩くのと訳が違う。
空研のKW−14HPR。ダイキャストボディーで結構重い.。左右の回転の切り替えも今はレバーが主流だけどレバーではなくてボタンを前後に押して切り替えるタイプ。右が必要なだけずつ買い足しているインパクト用の駒。17−30mm。普通のラチェットのモノと比較してかなり肉厚で丈夫なつくり。すべてのソケットが「面接点」になっている。良い物が安ければ型落ちでも何でも一向に構わない。型落ちモデルで空研のHPにはもう載っていない。生産終了モデルの所を見てみると・・・ありました。生産終了がなんと2000年10月。買ったのが2004年なので3年半−4年間流通在庫で残っていた事に・・・これを考えれば超お買い得品。
早回しと言えば誰でも一つくらい持っているであろうDIY、日曜大工の必需品、電動工具の充電式ドリルドライバー。何せ買ったのが昭和の時代だから17年以上使っています。動力源はラジコンと同じニッカドパック9.6V。このバッテリーパックがアタリが良かったのか、使い方が良かったのか(多分両方)驚異的なほど持った。何と15年間。通常ニッカドの寿命は300回の充電でパー。アタリや使い方が悪いと1年持たない。基本的に電気を使い切ってからの充電が基本でラジコンのバッテリーパックで痛い目に遭っているので、これを踏まえて回転が遅く弱くなったら、とことん動かなくなるまで空運転して使い切って、バッテリーが冷めてから充電という「基本のキ」を忠実に守ってた。最後の最後は通常1時間で満充電で終了が、どんなに頑張っても15分で充電が終わる。
その昔これを買った刃物屋さんにバッテリーパックを注文行った。そりゃ、大昔のモデルだからあるかどうかメーカー問い合わせ。刃物屋の親父さん曰く「15年ってどーや。うまいこと使こぅたのー、こんだけ使えや安っすいモンやのー」ここの親父さん今もノコギリの目立てなんかをやっているバリバリの職人さん。そんな職人さんに道具を上手に使ったことを褒めてもらいました。要は基本をしっかり守っていれば能書き通り、それ以上のことが出来るって手本かも?
昭和時代から愛用のドリルドライバー、9.6Vニッカドパック。トリガーの引き具合で無段階速度調節にH、L速度2段切り替え、5段階のトルクリミッター+ドリル、当然正逆回転切り替え付き。充電時間は当時としては短かった1時間充電。穴あけ、ねじ回し、軸付きのワイヤブラシをつけてサビやスス落とし等いろんな用途に重宝している一品。手元のバッテリー部分が長いので見た目よりバランスは良い。右が88年9月製造の文字が。2003年まで15年間持った驚異のバッテリーパック。奇跡だな。