青年海外協力隊

4、訓練最終段階

 訓練もいよいよ最終段階になりますと待っているのが最終語学試験、これに合格しないコトには当然任国に行かせてもらえないしもう3ヶ月再訓練が。みんな「もーあんなエラい目するのまっぴら御免」モードで必死コキます。この時期の最大の「出しモン」が語学発表会なる「習った語学でのプレゼンテーション」持ち時間5分で寸劇ありーの、ニュース風ありーの何でもアリ。普通語学クラス単位で行うんですが人数の少ないところはそれなりに配慮はしてもらえました。タイチームは2クラス4人ひっくるめ。インドネシアなんて2人しかいなかったので超かわいそう。
 で、タイ語チームの出し物は、寸劇「アリとキリギリス」タイ語版。アリさんは、派遣に向けてこつこつ、せっせせっせと冬の準備をするが如く勉強しています。キリギリスさんは、そんなアリさんを尻目に好きなことをやっています。そんなキリギリスさんを見てアリさん達は「そんな好きなことばっかりやっていると後で泣きを見るぞー」といいました。そうして派遣の時になったらキリギリスさんが一番タイ語が上手でした。コトバで困っているアリさん達にキリギリスさんはこう言いました。「だってタイに冬なんてないんだもーん。」キリギリスさんの好きなこととは勉強でした。 ちゃんちゃん・・・ってな具合で持ち時間5分きっかりになるようにどんなけ練習積んだことだか。オチの「冬がない」にはタイ関係者の間でバカうけでした。(ほんまにない)
語学の試験も終わってるんるん(ふっる)気分の時に降って湧いた災難。奥歯の詰め物が抜けた。同期に唯一の医師候補生の歯医者さんがおりましたので、ガリガリと表面処理してセメントで応急処置。みんなからマッドデンティストと言われていた歯医者さんでしたがさすが本職。モノの2ー3分で治療終わり。しっかし、治療道具持ってきているところがスゴい。かかりつけの地元の歯医者さんに電話で「ここの歯詰め物取れた」って言うと「神経抜いてあるはずなので大丈夫帰ったらソッコーで来て」と言われて一安心。
駒ヶ根訓練所での壮行会。語学講師の先生や職員の方々と。こんな夜に何故制服着用だったかは今となっては忘却の彼方 「成績のワルかった候補生はこちらへ」でもありませんし、ロスマンズカラーのトランポに忍び込んでるアヤしいやつでもありません。駒ヶ根出発。
 最終語学試験で不合格の候補生も出ず全員一応合格。住み慣れた駒ヶ根に別れを告げて東京へ。途中「つまごい」のヤマハリゾートで一泊。別に今までも労をねぎらってもらうためのはからいではなく交通安全講座を受けるため。「やったバイクに乗れる」が私のホンネ。二輪中免しか持っていない私はここぞとばかりに「ななはん」(今は言わん?)久々に乗るバイクの気持ちええこと。でもやっぱ身体なまっとる。次の日に太股の筋肉痛。楽しいバイクの日が終わって渡航手続きやら壮行会のため東京の事務局へ。私にしてはたんまりの渡航支度金をもらって憧れの公用旅券にサインした以外は何をやったかは今となっては覚えていない。
で広尾訓練所の候補生と合同で訓練終了の壮行会晴れて候補生から青年海外協力隊員となり昭和最後の隊次昭和63年度3次隊が誕生。各人がそれぞれの熱い思いを胸に帰路に就き派遣の日を待つのであった。
 その前に私は歯の治療。派遣まで一週間しか時間がないけど直るんだろうか?直らなかったら派遣延期?
続く To Be Continue