なけりゃ付けちゃえ後付けメーター

転ばぬ先の杖、エンジンコンディションの把握
 主力戦闘機のMトラもこんだけ使い込んでくるといつ「ガサっ」と大きなトラブルが起こるやら分からない。せめて「動力機関の最悪の状態」つまり修理するのに「カネも時間もすっごくかかるエンジンの故障」って事態だけは絶対避けたいっ。
 エンジンコンディションの把握ってコトで水温計は付いているので「油温と油圧」を監視出来れば最悪の状態は回避出来るって観点で「油温計」と「油圧計」を付けて見ました。
 で、「どこで、どうやって油温や油圧を取り出す?」と言うことが第一の問題。エンジンのオイルラインをあちこち眺めて、オイルエレメントとブロックの間にアイルブロックを挟むのも「めんどくさい」し「コストも掛かる」果たして適応部品があるのか?って理由で却下。
 結果、一番手っ取り早い方法が既存の「エンジン油圧警告灯のセンサー」と分岐併設。幸いネジ径やピッチは市販の部品で対応出来そうだし、スペース的にも何ら問題なし。
そうなると「機械式」か「電子式」かって選択になるのですが、それぞれに特徴が・・。値段で言えば断然「機械式」なのですが感知部分からメーターまでイヤでも「オイルラインを通す」ってこと。バルクヘッドにオイルラインを通すってコトは、またクラッチのトラブル等で「胴体分離」状態になったときにイヤでも「オイルラインを切断」せねばらなないのでこれは却下。結果、油圧計は電子式に。
油圧計を電子式にすれば油温計も機械式に出来ないので必然的に電子式に。やっぱラクを選んじゃいました。
で、「どこのメーターを選ぶ」って段階で条件として
1.メーター単独で取り付けが可能なこと。(変な付属器機が不要)
2.壊れない。見易い。
3.チャラチャラした虚飾は要らん。
という条件を満たすのは「大森っきゃないっしょ」ってことで質実剛健、機能優先、虚飾無用の老舗大森製作所謹製に落ち着きました。
センサー取り付け部に三又(みつまた)分岐アダプター装着で上へ伸びるのが圧力センサーへのホース。
下向きに温度センサーを装着。各センサーからは、電気ハーネスのみを室内へ引き込み。
圧力センサー。バルクヘッド直前に取り付け。ホースが50cmという微妙な長さのため取り付け位置を決めるのに一苦労。

オーモリ52mm電子式油温計一般(従来)型。夜間照明がグリーンで電球式。ロゴの文字が赤のアクセントになっているのでこっちの方がデザイン的には好き。長時間点灯で発熱する。 オーモリ52mm電子式油圧計フルカラードメーター。夜間照明がLEDで好みの色に調節可能。長時間点灯してもメーターボディの発熱は皆無。表示も電球式より鮮明で見易い。
 取り付けそのものは、ちゃんと段取りさえ済んでいれば油圧、油温2つとも付けても半日で充分。取り付け作業よりもセンサーの取り付け位置とか、配管、配線の方法など事前の準備の方が手間が掛かる。これぞ「段取り7、作業3」の仕事
油圧と油温のビミョーな関係
 実際問題、油圧や油温がどの程度まで上がっているのかは、取り付けるまで全くわからんかった。経験から「油圧は5−6kgまで油温は90℃まで」って程度。時間の経過と共に両者を観察してみると双方とも面白い変化をするのがわかったのでした。
 油温の低い時は油圧は高め。油温上昇と共に油圧は降下。
 おそらく油温が低い時はオイルの粘度が高いため油圧は高め。エンジン始動直後はアイドリング回転で4kg強、全開で6kg。メーターが触れる50℃くらいまで上がるとアイドリングで3kg、全開5kg。65℃以上に上がると、アイドリング2.5kg、全開4.5kgまで下がる。多分オイルの粘度で油圧が変化している感じ。作業時全開で連続使用していても80℃に達することはなかった。もっともこのシリーズは100馬力を越える機種まであり補器類は基本的に共用なので、たかだかNAの65馬力、冷却性能に余裕があって当たり前。
 滅多なコトは、無いとは思いますが「転ばぬ先の杖」普段から正常値を監視していれば「異常時にすぐ分かる」ってことで安心して使い続けられます。と言うことにしておきましょう。

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