22.機械のお値段 HOW MUCH
部品編
機械を自分で修理するにしろ、機械屋さんに修理頂くにしろ、気になるのが部品の値段。まぁまぁ納得出来るものもあれば「なんでそんなに高いの?」というモノまで「価格設定」に思うコトが様々。
往々にして、量産出来ていて世間一般に沢山出回っている「規格モノ」の「汎用部品」はそれほど高くはなく、どの産業分野ででも使われているような「ベアリング」などは最たるもので何処で買おうが大差はない。
これに近いもので「規格もの」の「チェーン」や「ワイヤー」、「タイヤ」などは、「まぁこんなものかな?」と納得できる範囲。しかし、「このメーカーのこの機種のみ」にしか使われていなくてあまり数の出ない部品は「目の玉が飛び出す」程高いモノもある。こんな部品は年限切れでなくなるのも早い。
平行自動油圧シリンダーまぁ規格モノ製品
お値段 約80000円
ローターリー尾輪。直径25CMほど2−3mmくらいの鉄板をプレス成形したものの合わせ溶接。部品だから割高と考えれば、これも許せる範囲。  お値段 ¥7035円

平行自動装置の油圧ソレノイドバルブ。規格製品にしては高い
お値段 約53000円 
コンバインを整備した際に発注交換した搬送チェーン類、パーツ類
p1 排ワラガイド棒  ¥ 3570円
c1 供給チェーン    ¥ 8400円
c2 こぎ深さチェーン  ¥11340円
c3 左株元チェーン  ¥11655円 57コマ
c4 右株元チェーン  ¥13335円 81コマ
c5 中株元チェーン  ¥ 6615円 32コマ
c6 排ワラチェーン   ¥18165円 
サラコネジ6mm    ¥  115円/個
6mmフランジナット  ¥   11円/個
値段を並べると意外に高い。チェーンの様な規格品はコマ数で値段が変わるが大体1コマ200円くらいの単価。右株元チェーンが80コマ以上あるからお買い得?ガイド棒なんて10mmくらいの丸棒がY字型になって ステーが付いてユニクロメッキがしてあるだけにしては高い。3分筋の端材で作ったらメッキ無しで数100円だろうに。
それにしても、いくら特殊形状、6mmの段付きボルト、部品だから1本ずつ個包装してあるサラコネジが1本115円の単価は高すぎ。割高のホームセンターの4−5本入りの普通の6mmサラネジでも1個2−30円程度。ステンのネジでも買えそうな値段。同フランジナットが11円/個。こちらは個包装ではなく1袋10個入り。
こぎあみ完備品(写真は使用中のモノ)
これの新品価格 驚きの
 お値段 ¥112245円 也
こぎあみ、樹脂網 単体2枚組
お値段 1枚  ¥42105円  
高いぞ!!
  樹脂網だけ注文したつもりが発注ミスで、やってきた「こぎあみ完備品」お値段が驚きの¥112245円。フレームは不要なので本来必要な樹脂網に交換して貰うも、こんな樹脂網が1枚¥42105円。1台分2枚で¥84210円也。
つまり樹脂網2枚とネジ62組で¥92022円。ってコトはフレームと弓型金具が¥20223円なので、難儀してバラして磨いて色を塗る手間を考えれば、完備品を買って付けた方がある意味安上がりかも?多分部品で買ったら差額以上に高くなると思う。
シリコン製の長さ約2mx幅約5cmx暑さ約1mmのペラ
シーブケースハンプと言う部品。
お値段 2枚で ¥16380円
引き起こしチェーンの駆動スプロケットシャフト。1台分5個必要
お値段 1個 ¥4935円 
安いとタカをくくっていたら驚きのお値段。こんなモンが?ってのが、シリコン製のペラ。2枚で¥16380円。プーリーの前に縦に付いているのも同様の部品。こんな小さいのが1枚¥5670円。いくら何でもこれはちょっと高すぎじゃありません?同じ材質のモノがあれば簡単に切り出して作るけれど東急ハンズにもこの材質でこのサイズのは売っていないので仕方がないか。駆動スプロケットのシャフトは、まぁ許せる範囲。5つ要るから結構な値段。
コイン精米器の搗精網
お値段 ¥7350円
クローラ ロングサイズ 1本
お値段 約28万円
コイン精米の搗精アミ。粘りのない鋼で出来ているので堅いけれどモロい。玄米の中に金属などの異物があると簡単に写真の様に破れる(欠ける)。この網1枚が約750kg分の精米料金なので、こうやって破れると大損害。多くても数百円しか入っていないのに、たまーに賊にコワされるコイン精米のコインタイマーお値段 ¥73710円也。 お金の入ったケースの箱をコワされるが、箱だけの部品注文は出来ないので被害は甚大。
コンバインのロングサイズクローラ1本約28万円。以前は各メーカーがバラバラだったピッチ(中央の穴の間隔)が統一されてから少し値下がりした。以前の内側が串型になっていたのは1本30万円。
その他
品           名 仕様規格 単価 耐用限度
田植機の植え付け爪  ステンレス製 ¥1365 約30ha(土壌により異なる)
乾燥機の昇降機バケット 4インチ ¥252 使用約400日
乾燥機の昇降機バケット 5インチ ¥315 使用約400日
乾燥機の昇降機バケット 8インチ ¥567 使用約400日
昭和47年製 トラクター ウォーターポンプ  assy ¥57330 約30年
トラクター後輪タイヤ  ノーマル(低)ラグ 12.6−38 約8万円 約10年、 4000時間(路上走行具合)
籾摺り機ロール  6インチ ¥13860 約1000俵
ロータリー爪200cm用 40本1セット 52500円〜 延べ約60ha(土壌により異なる)
ロータリー爪220cm用 48本1セット 7万円〜 延べ約60ha(土壌により異なる)
コンバイン刈り取り部ワンウェイクラッチ 約25000円 約700〜800時間
これを踏まえて、もっと細かく計算してみれば、例えば田植機の爪、8条植えで16本必要で21840円。1反あたり約73円。8俵収穫して1俵約9円。1kgあたり0.15円
籾摺り機のロールなら2本必要で27720円。1俵あたり約28円。1kgあたり0.5円のコスト。ロータリーの爪なら1反あたり117円、1俵15円弱、1kg約0.25円のコスト。
乾燥機の昇降機のバケットなんて機種によっては100個くらい着いているので交換もメンドーだし総額では結構な金額になる。
誰が手を付けるにしろ何かにつけて修理するのには、思っている以上に金がかかるコトには変わりはないのである。
部品だけでもこれだけコストが掛かってるんだから安い農産物が出来るハズがないでしょうに。