25、耐久性 or 軽量化
レーシングマシンじゃあるまいに
乗用でない機械、歩行用、手作業用の小農具、例えば草刈り機やらの類の除草機は、運搬やら車からの積み降ろしや取り回しにおいてそりゃ重いより軽い方が良いにきまってる。
しかし、軽量化に特化して余りにも耐久性のない設計、異様に早くガタが来たり、摩耗するのも困ったものである。
いくら耐久性があろうと「やたら重くても」困りモノだが、ほどほどに軽くて、そこそこの耐久性があれば(超抽象的)それが妥協点というか機械設計においてのバランスだろう。
10年ほど使っている、畦畔用の二面刈り草刈り機。刈り幅60センチて6馬力のエンジンのタイプ。最初期型の4馬力に比べてフレーム等が大分頑丈になったが重量もそれなりに、ってか大幅(40kg→60kg)に増加。取り扱いにはこの重量が限度かと。
カバーの裏側は泥や草の飛沫は落とすものの滅多に洗わないので、やっぱり錆びて腐蝕する。シャフト部には「お椀」みたいなカバーが被っているので滅多に外さないのでギアケース取り付けのネジ周辺などは、まぁ洗ってもらえない不憫な箇所なのでご覧の通り。「刈刃に負荷が掛かって腐蝕部が破断してカバーがめくれ上がった図」
取り扱いには限度に近い重量だが「重いけど頑丈」。かなり無理させて乱雑に取り扱って10年持ったのだから耐久性に問題は無いであろう。
カバー新旧。完全に腐蝕して完全に破断して「ズッポリ」抜け落ちている。
一方軽いけど余りにも耐久性の無いっていうか「なさ過ぎ」なのが、この機械「パワーカルチ」昔の「田押し」とか「田掘り」とか「ガリ」言われている水田用の除草機でコナギとか生えたときにガラガラと前後に押して(当然人力で)除草する器具の「動力版」
3条タイプのパワーカルチ。31ccのエンジンで重量約20kg弱の軽量タイプ。
軽いのは非常に有り難いのだが耐久性に問題が・・
まぁ、田の中を腰を曲げて手で雑草を引くコトを思えば5倍〜10倍の能率で作業が出来るのは有り難いコトなのだが、軽量化するのに「ローター部」が「レーシングマシンかよ!」ってな「オールアルミ製」なので耐久性の無いコト。昔の「ロータスF1」かよ。
ローターがエンジンの動力で回って条間を3条ずつ引っ掻いて除草する。当然だが株間は除草出来ない。作業能率は3反圃場1枚が約1日 左が新品、右が約2週間、面積で4ヘクタール強、3反圃場14枚使用で「丸坊主」
2週間しか持たないんかよ。
エンジンでローターを強制回転。畑で使う管理機同様に抵抗棒で踏ん張ってローターで地面を引っ掻きながら推進。作業能率が3反圃場1枚が約1日。手で取ると5日以上掛かるので5-10倍は速い。3条なので幅30mで30数程、歩行距離約「3kmちょい」の泥田ウォーキング。(いい運動になります)
結構エンジンをブン回すので1日5リッターくらい燃料を食う。
作業中は常にローターが田の面を引っ掻いて除草をするのでアルミ製のローターの長さ約4〜5センチの爪が写真の様に約2週間、面積約4ha強でここまで摩耗。これだけ減ると引っ掻いて草を浮かすことが出来ずに「倒す」だけ。
1シーズンどころか2週間しか保たんのかよ!余りにも耐久性が「なさ過ぎ」じゃないの?ローターを鉄製にしたり、爪だけ別部品にして交換出来るようにして少々重くなってもせめて1シーズンは保って貰わないとチト困ります。
ちなみにローター1セット、お値段約63000円。本体が約12万だよ。ローター2セットで、本体もう1台買えちゃいます。
ついでにもう一台ってか一題。
法面の草刈りに刈り払い機の1行程で刈れない様な高い法面。かと言って2行程、3行程もないような大きさ(高さ)の法面に数年前からオーレックの出した商品名「スパイダーモアー」が配備数を増やしてかなり普及。

2サイクルの80ccのエンジンに刈り幅50センチ、最大斜度50度、重さ48kg、お値段23万円程の機械なんだけれど、自分で使うには、それほど大きな法面がいっぱいあるわけでもなく「何か中途半端」で手を出すのに二の足を踏んでいた。
おまけに4輪でこの重量だから車への昇降には、メンドーなコトに「歩み板」が2枚要るし。
近くに最初期型から使っていた人がいるので、その人のを見ていると、「とにかく燃料を喰う」どれほどのタンク容量かは不明だけれど80ccの2サイクルエンジンをブン回して使うので「100mを3回行ったらタンクが空!」おまけに初期型は燃料タンクの防振がなされておらず「すぐに振動でタンクにヒビが入る」そうで、それを聞くと「何か未完成の機械?」って感じで、値段も値段だし・・・年々改良は加えられ、配備数に比例して完成度は上がって来たものの、使用頻度から考えれば、
 「それなら2面刈りを買ったほうがマシ」ってコトで導入には至っていなかった。
2009年の夏頃に偶然JAでこの手の法面刈りの「軽量廉価機」を発見。刈り幅「40cm」版と、最軽量、最安物の刈り幅「30cm」版を発見。最軽量は重量25kg弱なので手で持って「車に載せたり降ろしたり」の文字通りの「手軽さ」。「最安物」の165900のところを、たまたまキャンペーン価格ってコトでお値段12万円ちょっと。元祖機の約半値!
 お1つお持ち帰り・・・で、ソッコーで導入。
安物、軽物だけに、刈り取り変速は無し、刈刃クラッチも手元に無し、アームも伸びない至極シンプルな機械。
所詮は排気量25cc、1.3馬力なので燃料、馬力の割に足がチト速いのであんまり背の高い草まではムリ。
満タンで約80分程稼動。まぁ刈り払い機1行程で刈れない所(刈り残し)を刈るには充分。
とにかく軽いので法面から「落としそう」(おいおい)になっても、手でラクに持ち堪えられるのがいい。
重い機械だと「自分の身を守る」のに絶対に手を離して「見捨てる」(なよ)もん。

で、これがソッコー購入の一番軽くて安いヤツ、クボタ「カルモ GC−K300」
青くて、丸っこくて、かわいいので「タチコマ」と呼ぶことにしよう。
つづく To Be Continue