26、自分で替えてみよう。
サクッと一人で30分。クローラの交換
コンバイン等のクローラ式の機械を使っていると避けて通れないのが「クローラ破断」である。5条刈りのコンバインで最軽量の自重2.7トンから最新式の機種で約4トン、おまけに刈り取った籾がタンクに満タンになると更に700kgから1トン加わると、足回りのクローラに掛かる負担は、かなりのものである。
刈り取り作業時に、運動靴や地下足袋で作業出来る程度に圃場、田面が少し湿っている方が稲にも機械にも優しい圃場条件であるが、乾田の麦の収穫や雨の降らない年の稲刈りは、思っている以上に足回り(クローラ)に負担を掛けているものである。
当然、古くなって来るとクローラが切れるリスクも増える。
実際問題、雨の多い湿田では「クローラ外れ」、乾いた年は「クローラ切れ」のトラブルが多いそうである。
かく言う私も2009年の小麦の収穫時に、かなり「くたびれた」機械を使っているので、目に見えて大きな割れ、「クラック」のあるのを「今年いっぱいは何とか保つだろう」と不安に思いながら使っていたら、イヤな予感は当たるもので、トラブルが無ければ「今日で終わる」と思った日に切れた・・
小麦の圃場は排水の溝が掘ってあるので、クローラを溝にハメてコジった拍子にブッツリと。なるべくクローラを溝にハメないように刈ってはいるんだけれども、1周目の「口開け」なので自由に動けるスペースが無いときについ・・・
切れたトコロで以前知人から貰った中古のクローラが1セットあるので、圃場内で交換すればいいや。と思いサービスの職人さんを呼んで交換。
なんだかんだで1時間もかからず交換は済んだけれど   雨降ってくるし・・・  でこの日の作業終了。
この替えたクローラも結構大きな「割れ」がある。まぁ残り1ha程なので、それまでに切れるコトはないし刈り取り終わったら交換しよう。
「ウマく行けばでサクっと一人で30分のクローラ交換」  道具の揃った平らな場所でのクローラ交換。

これが「とりあえず」付け替えた「割れ」のあるクローラ。かなりヤバめ。これを交換
1、平行自動装置の油圧シリンダーで機体を目一杯上げる。
2、上がった機体の頑丈で安全な位置、フレームや前車軸に「ウマ」リジッドラックを掛ける。
3、ロックナットを緩めてクローラのテンションを目一杯緩める。
4、交換する方のみ、(この場合は左)「機体下げ」方向に。つまりクローラを上げて浮かせる。(上写真左)
5、クローラを外す。(上写真右)
6、クローラが外れた所に、あたらしいクローラをハメる。
7、インパクトレンチでガンガン早回しでクローラを適正位置まで張るり、ロックナットで固定
8、上げたクローラを下げて(機体上昇位置に戻す)ウマを外す。 道具を片付けて終わり。
このように、平行自動機能があり車体を上下出来る機能があるコンバインでは、平らな場所と、道具さえあれば
一人でサクッと30分でクローラ交換が。
出来るハズであったが、実際一人で作業をしていたら古いクローラを外すのに手間取り結局約半日近くかかってしまった。
皮肉なモノで外れて欲しくないときは簡単に外れてしまうのに・・・・
これを踏まえて自己反省点。手間取った理由は、ウマを掛けて交換するクローラを上昇させテンションを緩めると、クローラがたるんで接地してしまい前の駆動スプロケットや後のテンションアイドラーとの間にクローラを外す程の「遊び」が出来なかったこと。
テンションを緩める前にクローラの下に「垂木」などを咬ましてクローラを外す程の「遊び」を作ること。こうすれば一人でも蹴ったり、コジったりで短時間でクローラを外すことが出来る。
要は前の駆動スプロケットの「歯」や後の「アイドラー」をクローラの「下駄の歯」から外せばいい訳なので、現行機のように駆動スプロケットが2分割で「歯」の部分が簡単に外れれば、ここまで苦労することは無いのである。
外れさえすれば、新しいクローラをフォークリフト等で足回りの近くまで持ってきて後は得意の「蹴ったり、コジったり」で実際5分もあればクローラはハメることが出来る。
いずれにしても、一人でやるよりは、手伝ってくれる人が居れば二人以上で作業した方が、「格段に安全で速いっ!」ので
「一人でも出来なくはないけど出来れば二人以上でやりましょう」ってのが結論である。
つづく To Be Continue