まさかまさかのこんなトラブル
注意一秒、一発廃車
 
1,まったくの予想外、田植機がオーバーヒート
 全く以てこんなことが起こるとは思っても見なかった「田植機のオーバーヒート」。田植機って言ってもこの場合「水田管理用ビークル」なんですが、普通考えられんトラブル。だからまったくの予想外。農機具のオーバーヒートは普通粉塵の多いところでの作業でラジエターにダストを吸い込んでコアの目詰まりで起こるもの。まぁ作業環境に起因するもの。
 要するにダストなる原因があっておこるもので、田植機なんか、「水の上」原因となる粉塵など何処にもない。ビークルにしても水の上だからホコリなんて吸い込みようがないハズ。それが、追肥散布時に「快調、快適、絶好調」って乗っていたらいきなり「ぐぅー」ってな感じでパワーダウン。「!!この感じって・・」って思うやいなや、俗に「as soon asー」ってヤツです。オーバーヒート警告ランプが点灯。即時にエンジンをシャットダウン。「何や?何や?」ラジエターの冷却水は充分入っているし、ファンベルトは切れていないし、見た限りではゴミもないし、一体何が原因や?」
 起きたのが日中のガンガン照りの炎天下。コンバインでも外気温の高い日には水温がかなり上がりはするモノのオーバーヒートにまで至らない。コンバインよりエンジンの冷却の条件はマシなのでこれくらいでは起こるはずがない。しばらく冷ましてエンジンの掛かるのを確認して作業再開、20分くらい使うと再発。とりあえずここの圃場だけ終えて整備センターに電話「田植機がオーバーヒートしたんやけど・・」の電話に「田植機が??」何となく怪訝そう。そりゃそでしょうに。
 水冷のエンジンが載っているクセして水温計が付いていない。オーバーヒート警告灯が付いているだけ。んでもこいつが点灯たら「もう終わってる」し、点灯した時点で自動っていうか強制的にエンジンを自動停止させるので処置なし。本来ならオーバーヒートするまで水温が上がったらエンジン回転を下げて90℃以下くらいまで低速でエンジンを回すのが正しい対処方法で、いきなりエンジンを止める方がかえって悪いハズ。ホンマ水温計くらい付けておいてくださいな。
 しばらく冷まして作業場へ。帰路の間は作業時より速度が速くて、エンジン回転が低いせいか再発せずに帰還。来るなり言われたのが、「それまた何で?」とりあえず目視で確認、自分でもやった、異常なし。「ひょっとして?」でラジエターの後側、運転席の直前のインパネの裏側というか下のインテークになっているネット状のカバーを下の写真の如く外すと、ラジエターの後側(吸引側)に何と「草みたいな葉っぱ」みたいなのが一杯つまってる。
こんな状態でラジエターはカバーの中で剥きだし状態。写真右下にチョコっと見えているのがクラッチペダル(向かって右が機械の前部) 「なければ作ってしまえ」で金網とアルミで作った自作ダストスクリーン。ラジエターの後へ装着。後(右)から吸って前(左側)へ排気
 「でもなんで??」って疑問が。原因は穂肥の時期には稲の葉が充分伸びているので機械の腹が稲の葉を擦って通っています。最前部のオイルパンの部分はアンダーガードでフラットボトムになっていますがその後にはクラッチから後のギアケースの間に短いドライブシャフトが通っていて、このシャフトで稲の葉を巻き上げて、すぐ前のラジエターがその葉っぱを吸い込んでラジエターの目詰まりを起こしていたと言うわけです。
  こんな状態で稲の葉を吸い込んでしまう。写真右下に見える黒い太い筒状のはステアリングシャフト。ダストスクリーンは装着済み。 約3ヘクタールの散布でこれだけのゴミを吸い込む。(2003年撮影)
 トラクターとかコンバインなんかだと粉塵(ダスト)を吸うことを想定しているので「網戸の目」くらいのダストスクリーンが付けてあるのですが、何せ田植機、そーゆーコトは想定してないので全くの無防備。なら「なけりゃ作ってしまえ」で金網とアルミでダストスクリーンを自作してラジエターの後へ装着。
 ダストスクリーンでゴミをくい止めてしまえばラジエターのコアへ細かいゴミの吸い込みは防げる。あとは機械の下へ潜ってゴミ等の異物が確認されれば(どうかするとエンジンフードの脇から葉っぱが覗いている時も)写真のようにバラして掃除すればオーバーヒートにまでは至らない。とりあえずはこれでおっけ。でも実際問題として水温がどのレベルまで上がっているかは水温計がないので不明。

2,燃えた・・・・

 数年前(多分平成8年か9年頃と思う)トラクターで休耕畑を耕起していたときに、もう少しで終わろうかと言うときに「ぱちっ」って音と共にハーネスの焼ける臭いがしたかと思ったらインパネの裏から白い煙が「もわー」っと出てきた。「燃えたー」何を思ってエンジンを止めてキャビンから飛び出したか。その逃げる速さ、「脱兎の如く」とはこういう風なのでしょう。この時は完全に機械を焼いたと思った。幸い煙もすぐに収まってエンジンも再始動可能だったので動くうちに帰還。電装品の作動テストをしても使えないのはウィンカーのみ。で、ウィンカー周りの配線を点検してみるとメインハーネスから枝分かれしてAピラーにあたる前の安全フレームの底でゴムのグロメットがあり、ハーネスもコルゲートチューブが被せてあるにも関わらず、ここでショートしている。
 後で分かったコトだけれど、このショート事故でオルタネータのダイオードがブローしていたらしい。前の冬にバッテリーを交換したのに始動がだんだん困難になってきたので判明。当然オルタネーター交換の憂き目に・・・・。ブラシの摩耗を考えればちょうど良い時期だったかも。壊れたヤツは当然リビルドしてもらってスペアパーツとしてストックしてあるのは言うまでもありません。
 電装品を取り付けたりして電源側の配線をする際に、グロメットやコルゲートチューブを使って保護すれば万全と思い、以後「ほったらかしでOK、メインテナンスフリー」と思いがちなのが以外や以外、万全ではないっ!」使用期間が長くなれば車両(自動車でも同じこと)の既存の配線でもヤバそうな所(擦れたり振動する部分)は、たまに点検しないと最悪車両火災で全損」という事態も招きかねないという教訓になりました。でも一つ不思議だったのが何故かPTOクラッチワイヤのスリーブが黒こげになっていたこと。ここへショートした電流が流れたんでしょうか?未だに謎。
つづく To Be Continue