摩訶不思議 燃料消費比率
 結局あんまり変わらん単位面積当たりの燃費
 修理や点検の都合で3500cc、65psの主力戦闘機も2300cc、45psの支援戦闘機も使えずやむなく久々に純粋な「小型特殊」1500cc、25psの機械、「通称ロードスター」で荒起こしを行っていたときに、「ふと」疑問に思ったことがありました。
 それは、トラクターの排気量や馬力と燃費の関係で、一体どれくらいのパワーバランスの機械が環境負荷が一番少ないか?ってことです。この時に基準になる単位は排気量でも馬力でもなく「面積」、つまり、
「一反、1000uの作業でどれくらいの燃料を消費するか?」ってことです。これが単位時間当たりの燃料消費なら当然排気量の小さいエンジンの方が少ないでしょう。でも現実問題として絶対に一定面積(経営面積)は、仕事をせねばならないので時間当たりの比較より、面積当たりの比較の方が現実的です。常識的に考えれば排気量の大きい機械が沢山使いそうですが、トラクターでの耕運の場合は以外や以外それが「ブッちゃけた話、あんま変わらん」ってのが結論です。
  一般的に燃料消費は、エンジンの負荷、仕事率に比例して消費が多くなると言われています。車の場合でも仕事量の多い登り勾配と、エンジンがほとんど仕事をしていない下り勾配とでは、エンジンの回転数が同じ(速度も同じ)でも登り勾配の方が遙かに沢山の燃料を消費しますよね。
 農機具に限らず産業機械の場合、通常エンジンは定格回転まで上げて一定速度(回転数)で使うわけで、この場合重労働をさせる重負荷作業の方が燃量消費量も増えます。故、小さめのエンジン、馬力で重負荷で使うより、大きめのエンジン、馬力であまり負荷をかけずに使っている方が、燃費が良いと推測されます。実際に同形式のトラクターで70psモデルと60psモデルで(この場合エンジンも同じモノが載っていて燃料の噴射量で馬力を調節、変化させているのが農機具)同じ220cmの耕運幅の作業機を使った場合ウソみたいなハナシですか、70psモデルの方がエンジン負荷が少ないので燃費が良い。
 トラクター以外の農機具の場合だと田植機だとエンジンにほとんど負荷のかからない作業のため、4条植えの自重100kg以下のガソリンエンジンの機械でも(*カタログ値)、ウチが使っている8条自重約1トンのディーゼルエンジンの載った機械(実測)とでも、ともに「リッター2反」。でもガソリン4−5馬力とディーゼル16馬力が燃費が同じってコトはディーゼルエンジンがエネルギー効率が良いって言われるのが身に染みて分かる。同じ燃費ならディーゼルの方が環境負荷は少ないし燃料費が安い。これが時間当たりになると作業速度が速い大型機の方が絶対少なくなる。 
 コンバインの場合は、どうなんだろう?ディーゼル2300cc、48psの5条刈りで、燃費は「3−4リッター/反」。100mx30mの3反圃場を2枚刈り取ってちょうど20リッターの携行缶が一本。2700cc、55psの5条で排気量とパワーが上がった分やはりそれなりに食って「4−4.5リッター/反」ともに自然吸気エンジン。機関稼働時間は25−30分。かたや800cc、15ps程度の2条刈りの機械はどれくらいなんでしょう?使ったことがないので不明ですがいっぺん調べておきます。
 荒起こし、一番耕ですので、圃場内の作業速度は、機械が大きかろうが小さかろうが一定で時速約2.5km、(中にはブッちぎる人も居ますが)違うのは馬力によって差が出る「耕運幅」になるわけで、機械が大きいほど、幅も広くなります。従って同じ面積の圃場を耕す場合、広ければ回数が少なくなる訳で「行程数」が変わってきます。具体的な数字で示すと、25PS=1.5m、 45ps=2.0m、 65ps=2.2mになるわけで30m幅の圃場でそれぞれ、14行程、15行程、20行程となりわけです。つまり排気量が少なく馬力の小さな機械は、行程数が増えるので時間がかかり、排気量、馬力とも大きい機械は時間はかからない訳です。
 で、結果はトラクターでの耕運作業の場合、3500cc、65psのデカい機械でも、1500cc25psの小さい機械でも1反当りの燃費は約2−2.2リッターで「あんま変わらない」ってことでした。それなら馬力に余裕があって、車高が高くてハマり難く、車幅が広くて安定していてキャビンの付いてる「デカい機械に乗ってるほうが楽チン」に決まってるやん。おまけに作業以外の路上走行でも絶対速度が速いので移動時間が短縮できるのでここでも燃費節約。もっと高速で耕運すればパワーに余裕のある大きい機械方が単位面積当たりの燃費は絶対良くなる。 
 結論、環境の為にデカい機械を使います。
つづく To Be Continue